ごあいさつ

農業は大規模で効率的な経営を進める産業としての農業と、中山間地を中心として小規模ながら自然と調和して人々の営みと深くつながる農業があります。産業としての農業は国の後押しを受けて、GPS搭載無人トラクターやドローン、植物工場といった最新技術を利用して、規模の拡大と効率化を進めています。一方、中山間地の小規模農業は兼業農家化するとともに、若い人たちが後を継ぐことも少なくなっていくため、生産者が減り、耕作放棄地が増え、過疎化が進む、という農業にとどまらない社会全体の悪循環につながっています。
しかしそんな中で小規模農業ながら志を持って環境負荷の少ない農業を続けている方がおられます。その方々は自然を大切にし、人を大切にし、味にもとことんこだわった手間暇かけた農業をされています。
一般的に日本の有機野菜の生産比率は0.4%と言われています。欧米では有機栽培の比率が急速に高まる中、つい最近中国、韓国に抜かれるまで農薬使用量世界一だった日本では、とても低い比率にとどまっているのです。その原因は、消費者に有機野菜の価値が伝わっておらず、消費者は店頭に並んだ時の見た目のきれいさと価格だけでしか判断していないことがこの状況を作り出しているのではないかと考えます。

「びわ湖が恋する野菜たち」は、関西1400万人の水瓶であるびわ湖を抱く滋賀県で、環境負荷の少ない農業を長年営む農家さんの野菜ボックスをお届けする定期宅配サイトです。その方々の農業へのこだわりを知っていただく「場」の中で、本当に信頼できる大好きな農家さんを見つけていただけます。私たちは、生産者と消費者という枠を超えて、「農」へのこだわりが「食」のおいしさへとつながること、自然環境への配慮が四季折々の風景を作り出していることに共感いただき、その仲間の輪が広がることを願っています。そしてこういった農業にチャレンジする人たちが少しでも増えて、農業や社会の様々な課題を解決する糸口になれればと思います。

agriculture(アグリカルチャー、農業)はagri(アグリ、畑)とculture(カルチャー、耕す)を語源とします。私たちはあえて&でつなぐことによって、アグリ&カルチャー(農業、畑&文化)として農業+αの価値を再認識し、その最前線のトップランナーとして活躍する農家さんと一緒になって皆さんにお届けしてまいります。
アグリ&カルチャー 代表  山内 健
アグリ&カルチャー
代表  山内 健