自分で作ったものを自分で食べると考えたら農薬は使いたくない。そうじゃないですか?
子供のころから活字が好きでした。「赤毛のアン」や「大草原の小さな家」といった本が好きで、自然が大好き、動物が大好き。人間のエゴで自然環境が変わってしまうことに疑問を持っていました。大学では動物行動学を学び、アニマルウェルフェア(家畜を感受性を持つ生き物として心を寄り添わせ、人間が生きていくための糧としての死を迎えるまで、できる限り自由で健康的な生活ができる飼育方法を目指す畜産の在り方)を大事にしていたので、抗生物質やホルモン剤を注射しないような飼育の畜産を営んでいました。そしてその傍らで野菜を作っていましたが、農薬不使用、化学肥料不使用というのは自分にとってごく自然なことでした。その後、牛の飼育はやめたので、農業が本業になりました。
農薬、化学肥料不使用という農業を始めたころは試行錯誤の連続だったです。だけど、びわ湖に近いところで生活し、びわ湖の環境が悪化していくのがよくわかっていたので、それをやめるわけにはいきませんでした。自分が成功することによって、みんながこんな農業を目指してくれるきっかけになればいいなぁ、と思って頑張っていました。手間のかかりかたは今でも半端じゃないです。だけどこうして続けられたのは、やはり畑が大好きで、日々楽しいから。20年も続けていると、最近はこのような栽培方法の価値が少しづつ認められるようになって、人との出会いが増えてきたことがとても嬉しいです。
私が大事にしているのは、だれに対しても何に対しても誠実であること。
作る野菜の味にはこだわっています。肥料をあげると大きく育ち、収量も増えるが、窒素分が増えるので味が落ちる。故に大きさや収量は考えず、必要最低限の肥料で、葉の色や育ち方を見ながら味を作っています。自分の味覚には自信があります。おいしい野菜はベジブロス(野菜くずで作る栄養満点のスープ)に使ったときにしっかりとした味が出てきますよ。
私はこういった農業の大切さを若い人たちに伝えていきたいです。若い人たちが自分の仕事+農業(自分が得意な作物一品種を、自分が食べる量+αで作って、他の人たちが作る他の品種の作物と物々交換するようなあり方)といった形で、農業が身近になることで、耕作放棄地が減少して、自然環境が良くなればと思っています。
農場名 |
小林ファーム
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所在地 | 滋賀県近江八幡市大中町 |
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