農業を始めたきっかけは、親が兼業農家で目の前に田んぼがあり、設備があったこと。
自分の作る米や野菜を通じて、人の役に立てることが実感できること。
そして、農業そのものが担い手の数が大きく減ってきて、そこに活躍のチャンスがあると思ったことでした。
2017年37歳の時に独立就農しました。
最初の2年間は、美味しい野菜を上手に作るにはどうすればいいのか、自信が無かったので猛勉強をし、お客様の反応を聞いては繰り返し工夫を重ねてきました。お客様が喜んでくれたらうれしくて、野菜作りがどんどん好きになり、3年目には畑で野菜を見ているだけで楽しくなりました。そして気付いたのは、農業とは作って売るだけではないということでした。実り豊かな畑がその土地の風景を作り出し、美味しい野菜が食卓を楽しくする。例えば、家族でけんかしたとしても、美味しい料理(野菜)が食卓に並ぶだけで雰囲気がパッと明るくなりますよね。つまり農業を営むということは、人々の健全な身体と心に大きく役立っていると思ったんです。
栽培方法にはこだわりがあります。井戸水の中に無農薬の政所茶葉を投入し、その力で中に入っている鋳物の鉄を溶かしたタンニン鉄溶液を作り、畑に撒きます。使っている土地は、それまでの農薬や化学肥料を使った農法によって、微生物が少なくなった痩せた土地になっていました。そこにタンニン鉄溶液を撒くことによって、微生物が繁殖しやすい土に変えていくのが目的でした。すぐに復活する土地もあれば、何度撒いてもなかなか思うようにならない土地もあり、簡単には行きません。しかしそれを根気よく続けると、その土地が本来あるべき豊かな土地に戻っていきます。自分の代の後、将来に渡って持続可能な農業ができるようにしたい。そして、そんな農業を志す仲間を増やして、少しでもより良い社会に貢献したいと思っています。
屋号の「なないろや」は、様々な色を織りなすレインボーカラーのように、どんな人でも分け隔てなく手に取れる、誰もが食べられる野菜を提供するという理念から名づけました。
自分が営む農業のあり方についてしっかりした理念を持ち、毎日一歩ずつしっかり進んでいく力強さ、そしてその思いを熱い語る姿が、なないろや冨永さんの魅力です。
農場名 |
なないろや
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所在地 | 愛荘町長野 |
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